空中超音波を用いた触覚提示や音響マニピュレーションなどの技術では、音場の分布を簡単に計測できないことが問題でした。実用的にはマイクを自動ステージやロボットアームで動かして分布計測するしかありませんでした。
この研究ではサーモカメラを用いることで、3次元空間中の任意の2次元面における音圧分布を計測します。瞬時かつ高い空間分解能での計測を実現できました。
- 超音波を透過するメッシュスクリーン表面の熱画像を用い、リアルタイムに二次元超音波場を可視化できます。スクリーンを動かして3次元分布を把握することも容易です。
- さらにメッシュスクリーンを用いずに、手や指の表面の音圧分布を計測することもできます。
- 指表面の超音波焦点を、たった 0.2 sで、誤差 1 mm 以内に計測できます。
主な論文:
- Sota Iwabuchi*, Ryoya Onishi*, Shun Suzuki, Takaaki Kamigaki, Yasutoshi Makino and Hiroyuki Shinoda, “Performance Evaluation of Airborne Ultrasound Focus Measurement Using Thermal Imaging on the Surface of a Finger”, IEEE World Haptics 2023, Technical paper, July 10-13, 2023, Delft, the Netherlands.
- Ryoya Onishi, Takaaki Kamigaki, Shun Suzuki, Tao Morisaki, Masahiro Fujiwara, Yasutoshi Makino, and Hiroyuki Shinoda, “Two-Dimensional Measurement of Airborne Ultrasound Field Using Thermal Images” Phys. Rev. Applied 18, no. 4 (2022) 044047 (Open Access)
- Onishi, R., Kamigaki, T., Suzuki, S., Morisaki, T., Fujiwara, M., Makino, Y., & Shinoda, H. (2022). “Visualization of airborne ultrasound field using thermal images”. arXiv preprint arXiv:2203.07862.
- 小丹枝 涼哉, 神垣 貴晶, 鈴木 颯, 森崎 汰雄, 藤原 正浩, 牧野 泰才, 篠田 裕之, “熱画像を用いた強力空中超音波の音場分布計測,” 第38回センシングフォーラム計測部門大会, pp. 141-145, Online , Sep. 30・Oct 1, 2021 *SICE センシングフォーラム研究奨励賞 受賞
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